パックス・パミール:第二版 日本語版
タイトル:パックス・パミール 第二版 / Pax Pamir: Second Edition
デザイナー:Cole Wehrle
メーカー:テンデイズゲームズ / Wehrlegig Games
発売年:2021(オリジナルは2019年)
プレイ人数:1人〜5人
プレイ時間:45分〜150分
対象年齢:14歳〜
ルール難易度:★★★★☆(プレイヤー間の相互作用が強く、絶妙なバランスで成り立っているため、正しい処理が求められる)
いいポイント
・ヒストリカルでスケールの大きなテーマを、非常にスマートな形でゲーム化
・ゲームを通して味わえる緊張感のあるゲーム展開
・フレーバーも丁寧に訳されたカードや、彫刻のような樹脂製の駒、布製ボードなど美しい内容物
イマイチなポイント
・プレイヤー間の相互作用の強いマルチゲームのため、プレイヤーによって好き嫌いはありそう
「グレート・ゲーム」と呼ばれる19世紀のアフガニスタンで繰り広げられた英露、そしてアフガニスタンの権力者による覇権争いをテーマにした本格的な戦略ゲームです。
プレイヤーは、アフガニスタンの有力者となり、英露、もしくはアフガニスタンの権力者と同盟を組み、同盟相手がアフガニスタンで勢力を拡大できるよう駆け引きを繰り広げ、自らの影響力を高めていくことを目指します。
ゲームは、主にカードの獲得とプレイが繰り返され、その上でアクションを実行することで進んでいきます。
用意された基本的なアクションは、同盟相手や自分の部族の駒の配置、道の建設、同盟相手への贈り物、他勢力の駒を取り除くための戦闘など、いずれもゲームへの直接的な影響力が大きく、また、非常にシンプルなものです。
しかし、カードの種類はさまざま。それらのカードをプレイすることで、それらのアクションはより効果的なもの、戦略の幅が広がるものとなっていきます。
自分の場をどのようなカードで充実させていくか―その見極めは非常に重要です。
また、プレイヤー間のインタラクションが強いことも大きな特徴です。
シンプルなボード上ではさまざまな駒がひしめき合い、それぞれの勢力間のパワーバランスはとても危ういものになっています。
その状況の中、得点機会を得ることができるのは、最大勢力と同盟を組んでいるプレイヤーであり、それはもちろん一人であるとは限りません。
どの勢力と同盟を組むことが勝利への近道となるのか、その見極めも求められるのです。
加えて、得点状況によってはサドンデス勝ちとなることもあり、他のプレイヤーの動向にも気を配らねばならず、一瞬たりとも気が抜けません。
基本的な構造をとてもシンプルなものですが、そこへカードによって幅を持たせることで、スマートさとプレイングの幅の広さを両立させることに成功していると言えるでしょう。
プレイヤー間の駆け引きや相互作用が色濃く反映されるマルチゲームではありますが、多くの方に遊んでもらいたいタイトルです。
細かいフレーバーテキストも丁寧に日本語化された美麗なカードや、雰囲気のある美しい駒、ボードなどもとても魅力です。
※このゲームの売上の一部は、アフガニスタンの復興支援に寄付されます。
パックス・パミール:第二版 日本語版
4560450501084
11,550円(内税)
定価 11,550円(内税)